がん検診の状況、見直しを

 

 DNAは、私たちの身体を作るための「設計図」を集めた辞典のようなものです。放射線やストレスなどさまざまな理由で傷つくことがありますが、私たちの身体はそれを修復する力を持っています。

 そのような理由から、放射線を受けることによって、その影響が遺伝するということはわれわれ人間では証明されていません。広島・長崎の原爆や、チェルノブイリ原発事故後、かなり多くの放射線を浴びた方であっても、遺伝的な影響は認められていません。加えて、今回の原発事故に伴う放射線の量は、それらよりも桁違いに少ないです。そのため、今回の原発事故後の遺伝的な影響は、二重に問題がないと言うことができます。

 その一方で、生活環境の変化に伴う影響は、現状でも対策が必要なものが多くあります。その一つが、がん検診の受診率の低下です。これは今のコロナウイルス感染症下でも問題です。大腸がんや子宮がん、乳がんなど、早めに検診を受診することで早期に治療できる病気があります。受診しづらい時期もあるとは思いますが、一度、ご自身やご家族のこの2年間の受診の状況を見直してもいいかもしれません。

 今年も1年間本当にお世話になりました。ありがとうございます。

 皆さま、良いお年をお迎えください。