粒子交換し核力生まれる

 

 全ての物質(原子)は「陽子・中性子・電子」の粒が何個かずつ集まってできています。これらの個数のバランスが悪いとその物質は不安定になり、これを放射性物質と呼びました。それぞれの物質(原子)の中心には、陽子と中性子が固まっている原子核があり、その周りを電子が回っています。

 原子核自体は陽子と中性子でできています。陽子と陽子は電気のプラス同士のため、そのまま近づくとお互いに反発し、原子核はバラバラになってしまいます。その構造を保つため、陽子と中性子を無理やりくっつける、のりのような役割の力が原子核には存在します。これを「核力」といいました。

 この核力がどうして生まれるのか、その理論を作ったのは日本人の物理学者でした。

 陽子と中性子が、また別のとある小さな粒子をキャッチボールすることで「核力」は生まれる。そのおかげで原子核がバラバラにならずに済んでいる。ということが1935年に理論的に予測され、その後その粒子の存在が実際に証明されました。

 この予測を行ったのが湯川秀樹博士です。博士はこの業績に基づき、日本人で初めて1949年ノーベル物理学賞を受賞されました。