生活環境変化でメタボに

 

 内臓に脂肪がたまることに加えて、血圧、血糖、コレステロールが高い状態が組み合わさると、脳梗塞や心筋梗塞に非常になりやすくなってしまいます。この状態をメタボリックシンドロームと呼び、名前を聞いたことがある方も多いと思います。

 原発事故後の健康問題は、放射線被ばくに伴う直接的な影響にとどまらず、生活環境が変化するためにさまざまな間接的・二次的なものが問題となりました。メタボリックシンドロームもその一つです。メタボリックシンドロームはいくつかの状態が組み合わさることで、血管が詰まりやすくなるというものですが、その中でも血糖が高くなる、つまり糖尿病は長期的に今でも課題です。先週は心房細動という不整脈を紹介しましたが、これも生活習慣の変化で引き起こされます。

 このように、原発事故後、さまざまな生活習慣に関わる体の状態が悪くなったことが報告されました。もちろん小児の肥満のように現在では改善しているものもあります。しかし、健康の立場からは、11年たった今でも、対応を続けないといけない状態が多くあります。避難指示の解除も、人によっては生活環境が変わるきっかけとなります。

 このような状態を継続的に見守るために、さまざまな健診や県民健康調査は続いています。