心の健康に生活環境影響

 

 原発事故後の健康問題は、放射線被ばくに伴う直接的な影響にとどまらず、生活環境の変化に伴ってさまざまな間接的なものが問題となります。

 県民健康調査の一つである「こころの健康度・生活習慣に関する調査」では、不安やストレスに重点を置いて、現状の調査とその結果に基づいた電話などによる支援が行われています。

 精神的な健康度を知るために、成人の方には気分の落ち込みなどに関する六つの質問に答えていただき、うつ病や不安障害といった状態にないかが毎年調べられてきました。

 その結果、2011(平成23)年度には、うつ病などの気分障害や不安障害の可能性があり、支援が必要と考えられる方の割合は14.6%という高い結果でした。しかし、12年度以降、この割合は下がり続け、14年度は7%台に、19年度には5%となりました。

 全体としては改善傾向にありますが、(被災していない)全国平均の3%と比較すると依然高い値であることが指摘されています。これからも避難指示の解除や復興の過程での環境の変化は続きます。全体として改善していても、個別に長期的な支援や介入が必要な方が今も多くおられることは重要な事実です。