立地する東京電力福島第1原発の事故で、町民約1万1500人が全町避難を強いられた。津波、地震では12人が犠牲になった。
震災から約1カ月後、町は会津若松市に役場機能を移し、幼稚園や小中学校を開設。町民の半数弱が会津で避難生活を始めた。
町内には除染土などを保管する中間貯蔵施設が建設され、震災から約4年が過ぎた2015(平成27)年3月には、初めて搬入が行われた。
19年4月に大川原、中屋敷の両地区で避難指示が解除され、町が大川原地区に整備した町役場新庁舎も完成した。同5月には約8年ぶりに町内で役場業務を開始した。
今年2月には原発事故後初の診療所がオープン。町民の生活環境向上に向け、大川原地区では商業施設や交流施設、宿泊温浴施設の整備が急ピッチで進む。22年春には帰還困難区域にある復興拠点の避難指示解除が予定されている。2月1日現在の町内の居住者数は283人。