冬のさ中に水と闘う、過酷な寒気への苦行に近い忍従がない限り、しょせん他村の人々には手の出ない仕事になるのではないだらうか―。二本松市出身の作家東野辺薫の「和紙」は、少年時代を過ごした旧上川崎村の我慢強い紙すきの様子を描いている ▼時は太平洋戦争中のある冬。村人の冬の副業であった和紙作りは、戦争による原料難で行き詰まっていた。しかし軍が使う紙の製造を任されて、原料が潤沢に入ってくるようになった。主人...
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