教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の普及に取り組む福島民友新聞社など県内の地方紙や全国紙などでつくる県NIE推進協議会は15日、福島市で臨時総会を開き、任期満了に伴う役員改選で新会長に小野真教(まさのり)県小学校長会長(清明小校長)を選んだ。任期は1年。
代表幹事には福島民友新聞社の斉藤浩司執行役員販売局長が就任した。オブザーバーに川谷小・中の小河美智子教諭を委託することも承認した。
併せて、実践指定校の教諭らを交えた情報交換会を開いた。冒頭、小野会長が「新聞は発達段階に応じた利用ができ、大変汎用(はんよう)性が高い教材。より充実したNIE活動をしたい」と述べた。斉藤代表幹事、県教委の羽染聡義務教育課主幹があいさつした。昨年度、実践指定校に認証された学校の教諭らが教育現場での新聞の活用事例や教員側の研究の必要性について報告した。
新聞は身近な教材
県NIE推進協議会長に就いた小野真教氏は15日、福島民友新聞社の取材に、NIE推進への決意などを語った。
―就任の思いは。
「新聞は身近にある素晴らしい教材であり、人が生きていく上で大切なことを学べる。インターネットのように自分の好きな記事ばかりではなく、さまざまな分野の情報が入ってくる。新聞を活用して子どもたちの思考力や判断力、表現力を伸ばしていきたい」
―NIEが持つ可能性をどのように考えるか。
「国語や社会など教科によって子どもたちに新聞を作ってもらっている。そこで先生方には手本となる新聞を活用しながら、活字離れが進む子どもたちに新聞の良さを伝えてほしい。新聞を活用した授業を構築することで、子どもたちの学力向上にも役立つと思う」
―情報化社会の中で、子どもたちにどのような力を養ってもらいたいか。
「情報の取り方を教えていかなければならない。手にした情報が果たして本当に正しいかどうかを一つのニュースだけで判断するのは危険が伴う。新聞を読み比べるなどして、いろいろな角度から物事を見ていくことの大切さを伝えたい」