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新聞読み込みAIと「討論」 学法石川高と石川義塾中の生徒

2025/07/19 08:50

引野教諭(左から2人目)の助言を受け、新聞を活用してAIと討論する石川義塾中の生徒

 学法石川高と石川義塾中は今月、新聞を教材とする「NIE(教育に新聞を)」の一環で、ニュースを議題にして生徒にAI(人工知能)と討論してもらう取り組みを始めた。AIとの討論を通じて、日頃から新聞でニュースに触れる習慣を養い、生徒の論理的思考力を育てる狙いだ。18日は中学2年生を対象に授業が行われた。

 論理的思考養う

 討論には、両校で国語の授業を受け持つ引野さぎり教諭が会話型AIサービス「チャットGPT」を基に開発した「ディベートGPT」を用いる。生徒が議題に賛成か反対か立場を示し主張を入力すると、AIが内容に応じて具体例を挙げながら反論する。互いの主張を数回交わすと、最終的にAIが構成力や論理性、展開力など5項目で生徒の主張を採点・講評する。

 生徒が主張する際には、論の組み立て方を補助するガイドが出る。討論の内容や採点、講評などの履歴は保存されるため、生徒はうまく主張できた点や改善点を手軽に確認できる。

 両校はNIE実践校に指定されている。引野教諭はNIE担当として全国の学校現場に赴き、新聞の活用例を視察してきた。生徒の討論を見学する中、議論の進め方や論を深める過程でつまずく様子を課題に感じたという。そこでAIを活用した討論手法を発案し、日本私学教育研究所の助成を受けて開発を進めた。

 18日に行われた討論のテーマは「法律で声の権利を守れるか」。生徒は新聞記事を読み込んで情報を集め、タブレット端末に主張を打ち込んだ。参加した渡辺つばささん(13)は「AIに具体例を出して反論され、返答に詰まった。新聞をよく読んで知識を付ける必要があると感じた」と話した。

 引野教諭は「論理的思考力を高めることは入試の小論文対策にも生きる。プログラムの質をさらに向上させたい」と意欲を語った。

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