日本テレビの映画番組「金曜ロードショー」の歴史をたどりながら、スタジオジブリ作品の魅力を楽しめる展覧会「金曜ロードショーとジブリ展」が19日、福島市の県立美術館で開幕する。18日は開会式と内覧会が開かれ、関係者がジブリの世界観を楽しんだ。
1985年にテレビで初めて放送された「風の谷のナウシカ」から順に、40年の歩みを展示している。ジブリ作品の絵コンテや、作品公開時の流行語なども紹介。会場には高さ約4メートル、全長約8.5メートルのスケールで再現された「風の谷のナウシカ」の「王蟲(オーム)」など立体造型物の展示もある。
9月28日まで。福島民友新聞社、福島中央テレビ、県立美術館でつくる実行委員会の主催。福島民友新聞創刊130周年記念事業。
ジブリ作品、世代超えて
「金曜ロードショー」の放送と、「となりのトトロ」「もののけ姫」など数々の作品を生み出している「スタジオジブリ」はともに1985年スタート。展覧会はその二つの歴史をつむぐ。18日の開会式では、昭和から平成、令和と、共に歩みを重ねてきた関係者が、ジブリ作品への思いを語った。
「『この作品の時にはこうだったよね』と、時代を重ねて3世代で語れる作品、その中に福島のことを盛り込んだ良い展示になった」。スタジオジブリの米沢敬博執行役員は開会式で手応えを語った。日本テレビの沢桂一取締役専務執行役員は「昔はビッグコンテンツだった映画を配信などで見ることが増え、今は地上波の映画番組は金曜ロードショーだけ」と話し「今まで何本見た人でも『こんなストーリーやせりふがあったのか』と新しい景色がある。これが金曜ロードショーを支えてくれたジブリの力」とジブリ愛を語った。
展覧会実行委員長の高橋英子県立美術館長は、14年前の東日本大震災発生時に同館で開催中だった「高畑・宮崎アニメの秘密がわかる/スタジオジブリ・レイアウト展」(福島民友新聞創刊115周年記念事業)について言及。「地震の被害で一度中止になったが関係者の支援のおかげで再開でき、まだ震災の影響が色濃く残る中で多くの人を笑顔にし、勇気づけた展覧会になった」と振り返った。その上で、「今回の展覧会もジブリ作品が歩んだ歴史を振り返りながら、実際にその作品の世界に迷い込んだような体験を楽しむことができる。さまざまな角度からそれぞれの見方で満喫してほしい」と呼びかけた。
鈴木正晃副知事は「同じ時代を歩み、歴史をつむいできた金曜ロードショーとジブリ作品の魅力を各時代の様相と共に振り返ることができる」と話した。
公共交通機関の利用を
展覧会のチケットは日時指定予約制。一般・大学生1800円、中学・高校生1500円、小学生1000円。福島展公式オンラインチケットやローソンチケットWEB、ローソン・ミニストップ店頭「ロッピー(Loppi)」で販売している。会期は9月28日までで、毎週月曜日(祝日の場合は翌日)と9月24日は休館、同22日は開館。問い合わせは福島民友新聞社事業部(電話024・523・1334、平日午前10時~午後5時)へ。
会期中、県立美術館の駐車場は使用できないため、実行委は公共交通機関の利用を呼びかけている。福島交通は飯坂線福島―美術館図書館前の往復切符を販売。福島地区タクシー協同組合はJR福島駅と県立美術館を結ぶタクシー1台の料金を片道1100円の定額で運行する。