江戸時代後期、天保の世。目利き自慢がたたって故郷大坂にいられなくなった、道具商の放蕩(ほうとう)息子どら蔵(ぞう)こと寅蔵(とらぞう)は、流れ着いた江戸で、知恵と欲が渦巻く骨董(こっとう)商の世界に飛び込む。 大筋は、若者が才能を頼りに孤軍奮闘する物語だが、侮るなかれ。どら蔵が怪しい師匠らに放り込まれるのは、中を見ず蔵ごと入札するなどというヤバめの現場や、富山の薬売りの助手など意図の不明な仕...
この記事は会員専用記事です
残り220文字(全文420文字)
続きを読むには「みんゆうプラス」の会員登録もしくは
「福島民友新聞購読」の申し込みが必要です。