国民の健康保険証(従来型)が有効期限を迎え2日、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」に完全移行した。福島市の福島赤十字病院では、訪れた患者が慣れた手つきでマイナンバーカードを読み取る機械を操作する様子が見られた。
同病院によると、9月末時点のマイナ保険証の利用率は54%だったが、この日午前8時から正午まで訪れた約160人のうち、現行の保険証での特例措置となったのは1人。大きなトラブルもなかったという。訪れた福島市の60代会社役員女性は「違和感はないが、救急車で運ばれた場合など緊急時はちゃんと適用されるのだろうか」とまだ疑問があるとした。同病院事務部の菊田基晴医事課長(56)は「現在は過渡期で、患者がメリットを享受し切れていない。今後も丁寧な説明を続けたい」と語った。
県内で薬局を展開する会喜地域薬局グループ(会津若松市)は、薬局ごとに差はあるもののマイナ保険証の利用率は5割程度。本格移行でさらに増加することを見込む。担当者は実務上の負担はないとし「患者の同意を得た上で飲んでいる薬の情報が確認できる利点は大きい」と話した。
