作業員の人的ミス相次ぎ90人増員へ 福島第1原発で誤操作など

 

 福島第1原発では本年度、作業員の人的ミスが相次いだ。内容は機械の誤操作や作業工程の確認不足、情報共有の不備などさまざまだ。原子力規制委員会から繰り返し人員不足を指摘された東京電力は4月、東京本社から最大90人程度の社員を福島第1原発に移し、再発防止を図る考えだ。

 福島第1原発の廃炉、汚染水対策に特化した社内組織「福島第1廃炉推進カンパニー」の組織改編に合わせて行う。東電によると、第1原発で働く社員は1090人(2月1日時点)。東京本社からの異動や採用で、現場管理などに当たる70~90人を新たに確保する。

 東電の小早川智明社長は1月、原子力規制委の臨時会合で初めて人員不足を認め、「分析結果から事前確認が不十分だったという共通要因が判明した。社員が現場を徹底的に把握できていない」と説明。再発防止策に現場を把握する能力の向上を挙げ、「現場を重視する」と約束した。