「追加展示」原発事故を掘り下げ 双葉震災・原子力災害伝承館

 

 震災と原発事故に関する県の記録施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)は、3月から資料を追加展示した。来館者から「原発事故の悲惨さが掘り下げられていない」などの声が上がっていた反省を踏まえた対応だった。

 住民避難によって取り残された児童の靴や津波で被災した双葉町消防団の消防車両など、10年の時間経過や災害の恐ろしさを視覚的に感じることができる資料をそろえた。展示の見直し後は、来場者から「福島で何が起きたかよく分かった」「災害を自分事として考えようと思った」などの意見が寄せられているという。

 今後の課題は、ほかの伝承施設との連携という。担当者は「伝承館で原子力災害の全体像を見てもらい、さらにそれぞれの施設の展示を見て災害について考えてほしい」としている。問い合わせは同館(電話0240・23・4402)へ。