松本幸英楢葉町長に聞く 教育環境充実に力

 
「避難先より充実した教育環境を構築する」と語る松本町長

 楢葉町の松本幸英町長は「帰町目標」としてきた今春を迎えるに当たり「2~3割の住民が戻るという手応えだ」とした上で「住民意向調査では5割以上が帰還を望み、残り5割のうち2割5分は迷っていると答えた。

 迷っている人が帰町できるようスピード感を持って対応していく」と述べ、帰還に向けた環境づくりを加速させる考えを示した。

 帰還が遅れる要因として仮設住宅と民間借り上げ住宅の無償提供が来年3月まで延びたことや、災害公営住宅の完成時期を挙げた。

 教育と農業の再生を重点施策に据えてきた。特に4月から町内で再開する小、中学校とこども園について「避難先よりも充実した教育環境を構築し、日本一を目指す」と力を込めた。

 農業再興に向けては、仮置き場から汚染土壌などの早期搬出を国に働き掛ける一方、総合的な営農支援制度の財源となる基金を創設し「やる気のある農業者を下支えする」と強調した。

 避難指示解除から1年半が経過し、本格復興期に入る。「住民が町を憂えて自発的に動き、多彩なイベントや生涯学習活動を展開している。町が支援することで輪を広げたい」と語った。