農業再生の流れ加速へ 楢葉・2015年9月解除

 
昨秋の稲刈りの様子。営農再開から2年目に入り、加速化が問われる

 本格的な営農再開から2年目となる楢葉町では、基幹産業の一つだった農業再興を重要課題に位置付けており、再生への流れを加速できるかが鍵を握る。

 町によると、コメの作付面積は昨年が約20ヘクタールだったが、今年は1・5倍の30ヘクタールに増える見込み。ただ、それでも震災前(約400ヘクタール)の1割にも満たない。

 総合的な営農支援制度を始めるため、町は新年度、1億円の基金をつくる方針だ。水稲の種もみやトルコギキョウなどの種苗の購入費を全額補助することが柱で、生産者の初期投資の負担を軽減する狙いがある。

 一方、コメだけに頼らない農業基盤の構築に向け、町内3カ所でサツマイモの栽培に乗り出す。作付面積は2~3ヘクタールを想定。サツマイモの用途は幅広く、販路を確保して「もうかる農業」のビジネスモデルづくりを目指す。町は「生産者が利用しやすい支援制度にしたい」としている。