篠木弘葛尾村長に聞く 交流館を年内整備

 
課題解決への取り組みを話す篠木弘村長

 葛尾村の篠木弘村長は「まずはマイナスからゼロに戻す段階」と捉える。「教育再生など課題が山積している一方、解除しなければできなかった事業もあり、徐々に前に進んでいる」

 今の帰還率8.8%にも悲観はしない。「住民アンケートでは戻りたいと考えている人が約48%いる。村民の多くは三春町や田村市などの近隣に避難しており、二地域居住の生活形態も整ってくるだろう」と話し、新たな対応策を練る。

 新年度を「ある程度復興の形が見えてくる年」とする。商店の再開などでライフラインを整え、村外に住む住民が村に来て交流できる復興交流館を年内に整備する計画で、「村が出資して設立するまちづくり会社を入居させ、課題解決に向けた取り組みやイベントを行う」考えだ。

 「東北大、郡山女子大、日大工学部の3大学とも連携し、学生の目線を生かした復興への取り組みもやっていきたい」

 帰還困難区域の野行地区では、再生可能エネルギー事業に取り組みたいと考える。「風力発電と太陽光発電で再生可能エネルギーの拠点をつくり、自主財源の確保につなげたい」と展望を語る。