遠藤雄幸川内村長に聞く 子育て環境を充実

 
「被災地から脱却し、人口減の流れにあがなう」と語る遠藤村長

 川内村の遠藤雄幸村長は避難区域の解消から9カ月となることを受け「いつまでも被災地に甘んじるわけにはいかない。村民と共に新たなむらづくりを進めていく」と抱負を語った。

 教育政策の核として小中一貫教育の導入へ準備を加速させる。小中一貫教育に関し「9年間のスパンでカリキュラムを組み立てることで質の高い、特色ある教育が期待できる。年の差を超えた交流やクラブ活動も可能になる」と展望した。

 一方、避難先の学校に溶け込み、村内で学んだ経験のない子どもがいる現状に「古里のアイデンティティーをどうやって受け継いでいくかが重要だ」と指摘。急速に進む人口減と高齢化に対する危機感から地方創生の重要性に触れ、子育て環境の充実に向けて保育所の無料化や、ひとり親世帯の移住支援に引き続き力を入れる考えを示した。

 産業振興は「特産化を目指すワイン用のブドウ栽培や、整備中の田ノ入工業団地への企業誘致に重点的に取り組む」と述べた。6年を振り返り「村を離れたことで川内の良さを感じた人もいた。震災後に構築されたネットワークや支援に感謝したい」と前を向いた。