ICT支援員・瀬下智美さんに聞く 「芸術の力で地元に活気を」

 
「地元を活気づける企画を手掛けていきたい」と話す瀬下さん

 16年6月に地元の南相馬市小高区に戻ったベネッセコーポレーションICT支援員の瀬下智美さん(44)に同区での生活や今後の取り組みなどを聞いた。

 ―小高区に戻ったきっかけは。
 「北海道で主に自営業でデザイナーなどの仕事をしていたが、新しい仕事部屋を探す際に小高の自然豊かな街並みや人柄が好きな夫の意向もあり戻ってきた。不安もあったが、生まれ育った場所、両親の近くで暮らす楽しみもあった」

 ―現在取り組んでいることは。
 「県内の高校でコンピューターデザインなどを教えていた自分の能力を生かせると思い、小高区4小などで電子機器を使った授業を技術的に支えるICT支援員として働いている。ほかには自宅で茶道教室を開くなどし、地域住民と触れ合っている。自分が元気に活動することで微力でも小高の復興に役立っていればうれしい」

 ―今後の取り組みは。
 「小高には神楽や民謡などの民俗文化、あまり知られていない貴重な文化財が多くある。人を自然と引きつける力を持つ『芸術』の力で、小高に根づく文化と現代アートを融合させながら、地元を活気づける企画を手掛けていきたい」