山木屋太鼓会長・遠藤元気さんに聞く 「来れば楽しいこと体験」

 
「山木屋に人が集うきっかけをつくりたい」と強調する遠藤さん

 川俣町山木屋地区の若者でつくる「山木屋太鼓」会長の遠藤元気さん(29)に同地区の現状などを聞いた。

 ―避難指示解除から間もなく1年を迎える。
 「避難指示によって見えない壁があったが、解除により徐々にその壁が薄くなった。音楽イベントなどで山木屋に集うきっかけをつくり、山木屋に来れば楽しいことを体験できることを知ってもらうことで、移住や定住につなげたい」

 ―山木屋太鼓として、国内だけではなく海外公演も重ねた。
 「震災で福島を知った海外の人は多く、『福島イコール放射能』というイメージはある。ただ福島に興味を持つ人や本当の福島を知りたいと思ってくれる人もいた。海外や県内外でお世話になったアーティストを山木屋に招き、豊かな自然を体感してもらいたい」

 ―山木屋では4月に小中一貫教育校が開校する。
 「子どもの数は少ない。これから徐々に減っていったときの不安はある。それでも1人でも多くの子どもが入り、学校が継続されてほしい。山木屋でこそ学べるものを発信し『学びたい』と思ってもらえることが大事になる。山木屋太鼓が関われたらやりがいもある。4月から通う子どもたちには大人になったときに山木屋で過ごしたことを自慢できるくらい学んでほしい」