CT、全方位のエックス線

 

 病院などの医療機関では胸やおなかの写真を撮る際、エックス線が用いられます。エックス線はガンマ線と同じ性質を持つ放射線です。放射性物質から放出されるのが放射線ですが、病院のエックス線装置には放射性物質は「含まれません」。電気の力でエックス線を作り出しています。

 このエックス線を用いて行われる検査が、レントゲン検査やCT検査になります。胸のレントゲン検査は、一般的には体の前面にフィルムを置き、体の後ろ側・一方向からエックス線を当て、体を通り抜けたエックス線をフィルムで感知するというものです。

 それに対してCT検査は、機械の輪の中を体が通り抜ける際に、体のさまざまな方向からエックス線を当て、体を通り抜けたエックス線の量から、コンピューターを使って体を輪切りにした画像を作り出すものです。

 CT検査はさまざまな方向からエックス線を当てるので、レントゲン検査に比べると用いる放射線の量は多くなります。CTもレントゲンもさまざまな撮影の方法がありますが、胸のCT検査は、胸のレントゲン検査の約100倍の放射線を用います。

 もちろん、CT検査は体の中の状況を知るためにとても大切なものです。何かの治療方針を決める際に最も重要となる検査の一つです。