MRIは放射線使わない

 

 病院などの医療機関では胸やおなかの写真を撮る際、エックス線が用いられます。エックス線はガンマ線と同じ性質を持つ放射線です。

 胸のレントゲンやCT検査は、放射線を用いた検査です。その一方で、MRI検査は放射線を使いません。MRI検査は磁力と電波を使用して撮影を行います。身体の細胞に含まれている主に水(水素原子)に対して、磁力と電波によって影響を与え、画像にしたものがMRI検査です。MRI検査はどれだけ行っても放射線を受けることはありません。その代わり強力な磁石を使っているので、カードや携帯電話などを持って検査の部屋に入ると、それらが壊れてしまいます。

 放射線を使わないのであれば、MRI検査の方が良いのではと思う方もおられると思います。しかし、CT検査とMRI検査ではその用途が異なり、CTの方が優れる点と、MRIの方が優れる点があります。

 例えば、頭の中を見る場合であれば、場合にもよりますが、MRIの方が優れています。その一方、肺であれば、一般的にCTの方が優れています。おなかであれば、対象とする臓器や病気によって、CTが良い場合もあれば、MRIが勝る場合もあります。検査時間はCTの方が短くて済みます。CTやMRI以外に、超音波による検査や、シンチグラフィーというタイプの検査もあります。このように対象とする臓器や病気によって、最も有効な検査が選ばれるのです。