脳や体内も調べるシンチ

 

 病院などの医療機関では胸やおなかの写真を撮る際、エックス線が用いられます。エックス線はガンマ線と同じ性質を持つ放射線です。身体の外側から放射線を当てるため、レントゲン検査やCT検査は「外部被ばく」に当たります。

 その一方、骨の状態をみる骨シンチグラフィーの検査は「内部被ばく」に当たります。

 われわれの骨は、壊して作ってという代謝を常に行っています。骨折、打撲を起こした場所や、炎症を起こしたり、がんが骨に転移したりするような場合、その場所の骨の代謝は盛んになります。

 骨に集まる放射性医薬品を身体の中に投与すると、その薬が骨の代謝が盛んな部分により集まり、身体の外側にある専用の器械で計測すると、例えば全身の骨へのがんの転移の有無を調べることができるのです。

 その他にも、脳内の血流が十分かどうか、認知症など脳の機能が低下していないかどうかを調べるものや、心臓の筋肉の働き、リンパ節の転移の有無、肝臓や腎臓、肺の状態など、さまざまな臓器の機能を調べるために、同様の検査が行われます。放射性医薬品を身体の中に投与して画像を撮影するというタイプの検査を、一般にシンチグラフィー(通称=シンチ)と呼びます。