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5者協、枠組みは存続 連合福島と立民関係凍結も、選挙協力は不透明

2025/11/26 07:30

 福島市長選の対応を巡って連合福島が立憲民主党県連との関係を「凍結」したことを受け、両者と国民民主、社民の両党県連、県議会会派の県民連合でつくる「5者協議会」は25日、福島市で立民県連を除く4者による緊急会合を開き、5者協の枠組みについては存続させる方針を確認した。ただ、関係凍結が解除されるまでは4者のみによる会合が続く予定で、各種選挙での協力関係の再構築は見通せない状況だ。

 会合は冒頭を除き非公開で行われ、連合福島の沢田精一会長が関係凍結に至った経緯を説明した。終了後、報道陣の取材に応じた沢田氏は、構成団体から選挙協力は今後も重要だとして5者協の存続を求める意見が相次いだことを明らかにした上で「それを重く受け止め、今後の対応を検討していく」と述べ、当面は5者協の枠組みを維持する考えを示した。会合には県民連合会長として瓜生信一郎立民県連代表代行も出席しており、一定の関係は維持される見通しだ。

 ただ、連合福島と立民県連の関係修復がすぐに進むかは不透明だ。緊急会合に先立ち、立民県連の小熊慎司代表と宮下雅志幹事長は沢田氏と面会。関係者によると、沢田氏は福島市長選の対応に関する立民県連への抗議文を手渡し、事実上の分裂選挙となった経緯の調査を求め、小熊氏らは「対応をしっかり検証する」と応じた。県連に代表を辞任する意思を伝えていた小熊氏や連合側から、辞任に対する言及はなかったという。

 5者協はこれまで、国政選挙や知事選など各種選挙に連携して臨んできた。特に連合福島と立民県連は、5者協の中心として与党の対立軸となる候補を擁立してきた経緯があり、関係凍結が長引けば来年秋の知事選や次期衆院選への影響も予想される。ただ連合福島内には、ともに現職を推薦した福島市長選で、一部議員が当選した新人の支援に回った立民県連に対する不満は依然として根強く、組織として簡単に関係凍結を解除できない事情がある。

 沢田氏は凍結解除について「立民県連の対応を見定める」と明言を避ける一方、「いつまでも凍結状態が続いていいとは思わない。次期衆院選では5者協で連携を取ることが大事だ」と述べた。宮下氏は福島民友新聞社の取材に、同様に関係凍結が続けば各種選挙への影響は避けられないとの認識を示し「信頼回復に向けて市長選を丁寧に検証し、説明できるようにしたい」と語った。

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