【59市町村・この10年】イノベ構想の中核施設 南相馬市

 
昨年、全面開所したロボットの研究拠点施設「福島ロボットテストフィールド」の研究棟=2021年2月

 東日本大震災の津波で県内最多の636人の犠牲者を出した。東京電力福島第1原発事故に伴い小高区と原町区の一部に出されていた居住制限、避難指示解除準備の両区域の避難指示は2016(平成28)年7月に解除された。一部で帰還困難区域の残る小高区のことし1月現在の居住者は3758人と震災前の住民登録数の約3割にとどまっており、子育て世帯や若年層の帰還と、移住・定住の促進が課題となっている。

 昨春、原町区に本館に当たる研究棟を構えるロボットの研究拠点施設「福島ロボットテストフィールド」が全面開所した。浜通りに新産業を創出する福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の中核施設で、津波で被災した原町区の沿岸部約50ヘクタールにドローンなどの無人航空機やインフラ点検・災害対応、水中・水上ロボット、開発基盤の四つのエリアが整備され、陸海空のロボットの研究開発が可能。市は産業創造センターを整備し、一体での産業発展を進める。