【59市町村・この10年】都路に相次いで新産業 田村市

 
休耕田を解消し、飼料用米を収穫するMKFカンパニーのメンバーら=2020年9月、田村市都路町

 田村市の都路地区では2014年4月1日、避難指示が解除された。東京電力福島第1原発から半径20キロ圏の旧警戒区域では、初めての解除となった。同月6日には、同地区に公設商業施設「Domo(ど~も)」がオープンし、帰還したばかりの住民たちでにぎわいを見せた。

 16年には、地元産農産物を材料にしたスイーツの製造販売拠点「みやこじスイーツゆい」が完成した。都路たまごを使ったプリンなどが人気を集め、徐々に品数を増やしている。

 原発事故の避難による農地荒廃を食い止めようと、同市都路町の肉用牛農家が13年、「MKFカンパニー」を設立。牛用の稲発酵粗飼料を生産し、休耕田の有効活用につなげている。

 昨年には、地ビール製造販売「ホップジャパン」が地ビール工場、農業系企業「A―Plus(エープラス)」が植物工場「ファーム&ファクトリー田村」を新設した。被災地に新産業を創出し、地域経済活性化を目指している。