【59市町村・この10年】震災翌年に「帰村」宣言 川内村

 
業務を再開した村役場に早速訪れた住民ら=2012年3月

 震災発生直後の2011(平成23)年3月12日、隣接する富岡町の町民の避難受け入れを開始。同日、川内村と富岡町の合同災害対策本部を設置した。

 原発事故により村全域が屋内退避区域に設定され、16日にビッグパレットふくしまに避難。4月22日に村の原発から20キロ圏内が警戒区域、その他の地域が緊急時避難準備区域に指定された。

 9月30日に村の緊急時避難準備区域が解除された。遠藤雄幸村長は12年1月31日、「帰村」を宣言し「戻れる人から戻ろう」と町民に呼び掛けた。3月26日に村役場庁舎で業務を再開した。

 村は復興に向け新たな村づくりを進め、17年7月には震災前はなかった工業団地が完成した。スポーツ用品製造や加工食品工場など企業誘致が進む。農業再生に向け、ワイン用と生食用のブドウの栽培にも挑んでいる。

 今月中にはブドウ畑に醸造所(ワイナリー)が完成する予定。