こころネット(福島市、東証スタンダード上場)は23日、葬祭業大手の燦(さん)ホールディングス(HD、大阪市)と株式交換により経営統合すると発表した。燦HDがこころネットの株式を100%取得し、こころネットが完全子会社となる。少子高齢化などで葬祭事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、出店地域が重複しない両社の相互補完や運営の効率化で、さらなる事業規模の拡大を図る。
同日開かれた両社の取締役会で決定し、株式交換契約を締結した。株式交換で燦HDがこころネットの株式を取得する対価として、こころネットの株主に燦HDの株式を交付する。
こころネットによると、近年は少子高齢化による影響のほか、価値観や生活様式の変化に伴い顧客の需要が多様化。異業種の業界参入も含め、今後も変化の厳しい状況の継続が見込まれる。
企業理念の親和性が高い燦HDとの経営統合で葬儀事業以外でも相乗効果を創出、機動的かつ効率的な連携が可能と判断した。
こころネットは経営統合による組織や雇用形態の変更について「現時点ではない」としている。燦HDは関西や首都圏を中心に、本県以外の16都道府県で事業を展開。東証プライム市場に上場している。
株式交換は、こころネットが12月23日に予定する臨時株主総会の決議で承認を得る必要がある。来年2月1日に予定する効力発生日に先立ち、こころネットは同1月29日付で上場廃止となる。最終売買日は同1月28日。
こころネットは今年5月、グループ改革の一環として、好調な葬祭事業に経営資源を集中し、不採算事業の石材・婚礼事業を見直す再編方針を示していた。今後については燦HDと協議の上、検討を進めるという。
