サッカー通じ「地域創造」 大倉社長講演、郡山でYMCセミナー
福島民友新聞社、読売新聞社、福島中央テレビによるYMC郡山セミナーは22日、郡山市の郡山ビューホテルアネックスで講演会を開いた。サッカーのいわきFCを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長(52)が、今季からJ3に加入する同チームの活動を通した地域貢献について紹介した。
大倉氏は、東日本大震災をきっかけに誕生したいわきFCの活動の意義や取り組みなどについて話した。地域の住民や企業からの応援の輪が広がってきている状況について触れ「いわきFCの活動を通じて新しい価値を地域で創造していきたい」と展望を話した。さらに、子どもたちなどを対象に行っているサッカー教室といった、運動不足解消や健康増進など地域の課題解決につなげるための活動も引き続き強化していく考えを示した。
感染拡大防止のため、講演会は会員のみの参加とし、約30人が聴講した。
【講演要旨】いわきFCがミッションとして最上位に置いているのは「スポーツを通じた人づくり・まちづくり」だ。Jリーグ入りを果たすのはミッション達成のための一つの手段でしかなく、ミッションを大事にするからこそチームは強くなると思う。
中でも、人材育成に力を入れている。本県は子どものスポーツテストが悪かったり、遊ぶ時間や場所がなくて肥満率が高いと言われ続けている。スポーツ団体として地域課題をどう解決できるのかを考え、中高生の選抜チーム「いわきFCアカデミー」と、小学生以下のスポーツ教室「いわきスポーツアスレチックアカデミー(ISAA)」をつくった。
いわきFCアカデミーでは、選抜された市内外の中高生を育てている。ここでは人間教育を重視し、サッカーの技術だけでなく英語など勉強の支援にも挑戦している。目先のためではなく、もっと緩やかに子どもたちの成長を見守っている。
ISAAでは幼稚園の年中から小学生低学年を対象に、走ったり、でんぐり返しをしたり、鬼ごっこなどをして、とにかく遊ぶということに取り組んでいる。サッカーだけでなく、野球やゴルフをするいろいろな子どもが来て汗をかいていく。スポーツの楽しさを伝える場にしていきたい。
いわきFCは浜通りでスタートしたが、今は県内全体を意識して活動している。その中で目指すサッカーは、福島の復興や地域の人を元気にすることでなければならない。J3に加入する今シーズンは立ち止まらないことが大切だ。選手を成長させることがチームのプラスになり、それが勝利につながり、地域貢献にもつながっていく。そうしたサイクルをつくれるよう、選手と力を尽くしていきたい。
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