塩田石川町長を逮捕 官製談合疑い、道路工事の予定価格漏らしたか
福島県石川町が発注した公共工事の入札を巡り、事前に予定価格を業者に漏らしたなどとして、県警捜査2課と石川署、郡山署、白河署は30日午前7時45分ごろ、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで石川町長の塩田金次郎容疑者(76)=同町形見字道橋=を逮捕した。また同日午前、公契約関係競売入札妨害の疑いで同町の土木会社「志賀建設」元社員の無職関根徳夫容疑者(69)=同町字境ノ内、元役員のコンサルタント業添田保雄容疑者(63)=平田村中倉字見上=を逮捕した。
塩田容疑者の逮捕容疑は、2022年度に町が発注した道路工事の入札で、関根、添田の両容疑者に秘密事項の予定価格を漏らして同社に工事を落札させた疑い。関根、添田両容疑者の逮捕容疑は、公正な入札を妨害した疑い。県警捜査2課は捜査に支障があるとして3人の認否を明らかにしていない。
町によると、塩田容疑者が予定価格を漏らしたとされるのは、22年9月に入札が行われた町道の道路改良工事。予定価格は1262万4千円で、志賀建設が1245万円で入札し、落札した。入札には3社が参加、塩田容疑者は価格を知り得る立場だったという。
県警は、3人の関係性とともに金銭の授受や他の入札でも情報漏えいがなかったかどうかなども調べる。
県警は30日午後6時ごろ、捜査員約20人で町役場に家宅捜索に入った。捜索は町長室や総務課、都市建設課など4時間以上に及び、段ボール15個分の関係資料などを押収した。
町長の逮捕を受け、首藤剛太郎副町長は同日、役場で記者会見し「町民、関係者の皆さまにおわび申し上げたい。町長不在の非常事態で、職員一丸となって信頼回復に努める。町としては、(入札の)事務作業は適切に進められたと認識しているが、きちんとしたコンプライアンスを再度見直していく」と述べた。
塩田容疑者は石川町出身。亜細亜大法学部中退。1987年から町議を2期、95年から県議を4期務めた。2018年の町長選で初当選し、現在2期目。
06年にも現職逮捕 石川町、贈収賄事件で
石川町では1991年12月、当時の町長が公選法違反の疑いで書類送検され、93年に辞職、有罪判決が確定した。同町長はその後再選したが、2006年7月、同町の職員採用を巡る贈収賄事件で逮捕された。県内で現職の首長が逮捕されたのは、21年に当時の会津美里町長が官製談合防止法違反などで逮捕されて以来。
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