業者側2人、社外の人物に価格情報伝えたか 石川・官製談合事件

 

 石川町の公共工事入札を巡る官製談合事件で、公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された土木会社「志賀建設」元社員の無職関根徳夫容疑者(69)=同町字境ノ内=ら業者側の2人が、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された石川町長の塩田金次郎容疑者(76)=同町形見字道橋=から不正に入手した予定価格の情報を社外の人物に伝えていたとみられることが3日、捜査関係者への取材で分かった。

 町長と数十年前から面識

 県警は、関根容疑者と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された元役員のコンサルタント業添田保雄容疑者(63)=平田村中倉字見上=には、情報を社外の人物に伝えることで何らかのメリットがあったとみて、目的や経緯を調べている。

 捜査関係者によると、2人が塩田容疑者から得た予定価格を漏らした相手は複数人。予定価格を把握した塩田容疑者が入札1カ月前から入札日までに2人に伝え、その情報がさらに漏れていたとみられる。

 町によると、逮捕容疑とされる2022年9月の入札では、志賀建設を含め3社が参加し、同社が落札率98・6%で落札している。

 塩田容疑者と添田容疑者が、数十年前から面識があった可能性があることも関係者への取材で判明した。添田容疑者の父親が生前、塩田容疑者の後援会幹部を務めるなど添田容疑者の親族と接点があったという。

 県警も同様の情報を把握しており、長年の付き合いがある添田容疑者が塩田容疑者と関根容疑者の仲介役を担った可能性もあるとみて、3人の関係が深まった時期のほか、今回の入札以外に同様の不正が行われていなかったかや、金銭の授受などの見返りがなかったかを慎重に捜査している。

 関係者によると、関根、添田両容疑者は昨年、別の贈収賄事件で県警から事情を聴かれていたといい、2人は事情を聴かれた後の昨年7月に退職している。