福島県、子ども18万6508人 前年比6114人減、最少更新

 

 本県の子どもの数(14歳以下人口、4月1日現在)は18万6508人となり、前年を6114人下回った。比較が可能な1950年以降では最も少なく、県人口175万349人に占める割合も前年を0.2ポイント下回る10.9%となり、過去最少を更新した。県が5日の「こどもの日」に合わせて公表した。

 子どもの数の男女別は男子が9万5305人、女子が9万1203人で男子が4102人多くなっている。年齢層別では、5歳以下の未就学の乳幼児が6万2599人、6~11歳の小学生年代が8万959人、12~14歳の中学生年代が4万2950人だった。

 県内の子どもの数は減少が続いており、2022年には戦後初めて20万人を下回った。近年は未婚・晩婚化の傾向に加えて新型コロナウイルス禍の影響もあって出生数も減少。22年には年間の出生数が初めて1万人を下回るなど、子どもの減少に歯止めがかかっていないのが現状だ。

 県は人口減少対策を重要施策の一つに位置付けて各種取り組みを進めており、本年度も子育て環境の整備や移住・定住の取り組みを進めながら子どもの数の減少抑制に取り組む考えだ。併せて出会いの場の創出などを通じ、出生率向上などの取り組みも進める方針。県は「子育て環境づくりや働く場の確保などライフステージに応じた総合的な対策に切れ目なく取り組んでいきたい」(こども・青少年政策課)としている。

 子どもの数は20年の国勢調査を基に、住民基本台帳に基づいて各市町村に届け出などのあったデータから集計した。

 大玉、6回連続県内トップ

 県が公表した4月1日現在の県内の子どもの数(14歳以下人口)によると、県内市町村で人口に占める子どもの割合が最も高かったのは、大玉村の14.7%だった。国勢調査実施翌年で公表のなかった2021年を除き、6回連続でトップとなった。一方で割合が最も低かったのは金山町の4.8%で、前年から0.5ポイント増えたものの、県内市町村で唯一5%を下回った。

 大玉村は福島市や郡山市などの都市に近く交通の利便性も高いことなどから人口が堅調に推移しており、若い世帯や子どもの割合も高止まりしている。保育料無料化や給食費の半額補助など子育て環境の整備にも力を入れており、村は「住環境の整備などに力を入れてきたことが反映されてきている」と話す。県内ではこのほか、西郷村13.5%、葛尾村13.4%、鏡石町13.2%が人口に占める子どもの割合で上位に入った。

 少子高齢化が大きな課題となっている会津地方では、17市町村のうち11町村で人口に占める子どもの割合が1割を下回った。割合が最も低かった金山町も子育て環境の整備や若い世代の移住・定住の取り組みには力を入れているが、十分に効果が上がっていないのが現状。町は「都市部の若い世代の移住促進など、さまざまな取り組みを継続的に進めていきたい」としている。

 富岡、大熊、双葉、浪江、飯舘の5町村については、東京電力福島第1原発事故の影響などが残ることから公表対象からは除いた。

市町村の子どもの数と人口に占める割合