「ありがとう」ヨーカドー福島店 39年の歴史に幕、拍手の別れ

 
イトーヨーカドー福島店前で閉店のあいさつを聞く大勢の市民ら=6日午後7時17分、福島市

 福島市のJR福島駅西口に立地するスーパー「イトーヨーカドー福島店」が6日閉店し、39年の歴史に幕を下ろした。閉店時間となった午後7時には大勢の地元住民らが集い、長年親しまれた"西口の顔"との最後の別れを惜しんだ。

 この日は営業終了に合わせ、200人を超える市民らが店の前に集まった。吉田博之店長は住民を前に「店の看板は無くなるが、福島店と最後まで頑張った従業員がいたことを記憶の中にとどめていただければ」とあいさつ。一列に並んだ従業員たちと共に深々と一礼し、感謝を伝えた。

 出入り口のシャッターが閉まり始めると、見守っていた市民からは「ありがとう」などと声が上がり、万雷の拍手が巻き起こった。同市の会社員の高橋清大さん(37)は「家族とよく買い物に来た思い出深い場所。西口の顔が無くなるのは寂しい」と閉店を惜しんだ。

 福島店は1985年に開店。県都の玄関口で多くの市民や観光客らに親しまれてきた。1~3階のフロアで生鮮食品や日用品、衣料などを取り扱っていたほか、テナントとしてファミリーレストランや生花店、旅行代理店なども入居していた。

 閉店は店舗を運営するイトーヨーカ堂(東京都)の親会社セブン&アイ・ホールディングス(HD)が進める経営合理化の一環。閉店後の跡地の利活用について具体的な方針は現時点では決まっていない。26日には郡山店も閉店する。