ウクライナの伝説賞受賞の土子文則さん、南相馬で支援者に活動報告

 
ゼレンスキー大統領から表彰を受ける土子さん(右)=2023年8月23日、ウクライナ(土子さん提供)

 ロシアによる侵攻が続くウクライナ東部ハリコフで住民の支援を続ける土子文則(つちこふみのり)さん(75)が昨年8月、ウクライナの発展に貢献した人に贈られる「ウクライナの伝説賞」をゼレンスキー大統領から受けた。土子さんは7日、福島県南相馬市の支援者が同市で開いた活動報告会で「祈っても平和を願っても(人々の)おなかは膨れない。目の前に助けを必要とする人がいたから、その手助けをしているだけ」と語った。

 土子さんを支援する同市小高区の時計メーカー「Fukushima Watch Company(フクシマ・ウオッチ・カンパニー)」と双葉屋旅館が企画した。土子さんは東日本大震災時、同市でボランティアをした経験がある。

 東京都出身の土子さんは侵攻開始直後にウクライナに入国。ハリコフの地下鉄に避難した住民に食料支援などを行い、昨年4月には無料の食堂「FuMi Caffe(フミカフェ)」をオープンし、1日当たり約1300食の食事を毎日提供している。

 報告会で土子さんは、現地では連日、ミサイルなどの攻撃が激化しており、ごみ箱から食料を得ようとする人もいるなど、住民の生活が逼迫(ひっぱく)している現状を訴えた。その上で「(地下鉄では)夜遅くまで一生懸命、(掛け算の)『九九』を覚えようとする子どもの声が耳に残っている」と述べ、「ウクライナの未来の子どもたちを何としても守り抜くのが大人の責任」と話した。

 6月にはハリコフを巡回する子ども向けの移動図書館を始める予定で、将来的には学校の設立も視野に入れる。土子さんは、日本からの支援に「ウクライナの人々も喜んでいる」と感謝した上で、「私は日本の支援者の代わりにやっているだけ。(今回の受賞は)そういう方たちの賞だ。一歩も引かずに最後まで支援を続ける」と語った。

 活動資金寄付募る

 土子さんは自身の活動を応援してくれる人を募っている。寄付先次の通り。
 口座番号=三井住友銀行 日暮里支店 普通預金 8634613 ツチコフミノリ