子牛の死骸不法投棄疑い、復興牧場内 元社長ら2人書類送検

 
子牛の不法投棄疑いで送検されたフェリスラテ

 福島市土船の復興牧場「フェリスラテ」敷地内に死んだ子牛を不法投棄したとして、福島署は9日、廃棄物処理法違反の疑いで、同牧場を運営する法人と、元社長の男性ら元役員2人を書類送検した。

 法人や2人の送検容疑は、2020年から23年6月ごろまでの間、子牛の死骸約1.4トンを同牧場敷地内の山林に不法投棄した疑い。捜査関係者によると、2人は「処分するのが面倒だった」などと容疑を認めているという。同署は起訴を求める厳重処分の意見を付けたとみられる。

 同署は昨年7月、牧場を強制捜査していた。当時、元社長の男性は福島民友新聞社の取材に、牧場が完成した15年以降、死産や流産した子牛約200頭を敷地南側に埋めていたことを認めた上で「自分たちの敷地内で適正に処理すれば良いという認識だった」と釈明していた。

 同牧場は、東京電力福島第1原発事故で生産休止に追い込まれた相双地方の酪農家が「フェリスラテ」を設立し、15年に完成した。