「鏡石町長選」終盤の情勢 浮動票取り込み鍵、投票率底上げ注力

 

 任期満了に伴う鏡石町長選は、27日の投開票に向け終盤戦に入った。立候補しているのは、届け出順に諸派新人で元町議の吉田孝司氏(39)と無所属で現職の遠藤栄作氏(67)=2期。町政の「刷新」か「継続」かを争点に、医療と福祉の充実、水道の安定供給など住民サービスの向上を巡って両氏が舌戦を繰り広げている。

 新人の吉田氏は、町財政健全化政策「ヨシダノミクス」を提唱。「日本一税金と水道料金が安いまちづくり」を訴え、現町政が進めてきた地域振興や上水道拡張事業を見直した上で、節税による町民負担の軽減を公約に掲げる。町の喫緊の課題とする夜間休日診療、在宅医療の充実に加え、学校給食の無償化をはじめとした子育て支援の強化を強調。遊説を重ね、幅広い世代への浸透を図っている。

 現職の遠藤氏は、まちの駅「かんかんてらす」の設置や「田んぼアート」をはじめとした地方創生事業を中心に2期8年の実績を強調、町政継続と進化を訴える。上水道拡張事業による水道の安定供給を急務とし、駅東区画整理の目玉と位置付ける健康福祉センター(仮称)の設置で町民の健康増進と福祉の充実を図り、公約に掲げた「元気なまちづくり」の実現をアピール、支持拡大を狙う。

 両陣営ともに投票率の低下を懸念。選挙戦となった8年前の78.37%を5~15ポイント程度下回るとみて、投票率の底上げに注力する。子育て世代が集中する町西部での票の獲得や、若年層を中心とした浮動票の取り込みが結果を左右しそうだ。