白河市長選5選・鈴木和夫氏に聞く 「子育て世代負担減らす」

 
鈴木和夫氏

 白河市長選で5選を果たした鈴木和夫氏(73)は福島民友新聞社のインタビューに応じ、少子化対策としての子育て支援の拡充や地域産業の底上げ、新型コロナウイルスの5類移行後の観光振興を通して、歴史と文化が融合し、市民が誇りを持てるまちづくりを進める考えを示した。(聞き手・編集局長 丹野孝典)

 ―4期16年を振り返り、5期目の抱負を。
 「企業誘致と雇用の確保、JR白河駅周辺の開発を進めたほか、国道294号白河バイパスの全線開通など交通インフラを整備した。国の補助金を活用しながら施策を実行しつつ、財政再建にも努めた。東日本大震災で被災した小峰城の復旧、コロナ禍ではワクチンの確保と早期接種に尽力し、ピンチをチャンスに変えていった。白河市は磨けば光る『足元の資源』がたくさんあるので、歴史と文化を生かしたまちづくりを進める」

 ―今後の市政運営で注力する取り組みは。
 「やはり少子化対策。子育て世代の負担軽減を図る。金銭的な問題で結婚や出産を控える人はいるが、中小企業が賃金を上げれば将来を見通すことができる。少子化対策は産業政策にも関わってくる。子どもの数は減っているが、共働きの影響で学童保育の需要は高まっている。子どもたちが安心して過ごせる場所の確保と質の高いサービスの提供に努めたい。子育ては人とのつながりも重要だ。地域一丸となって育児ができるコミュニティーづくりに取り組む」

 ―コロナ禍明けの観光施策については。
 「台湾や東南アジアを対象にインバウンド(訪日客)に力を入れる。3泊4日で栃木県那須地方と会津地方、白河市を巡る広域的な観光ルートをつくりたい。西白河郡、東白川郡の各町村とも連携し、地域全体で観光資源を見いだしながら、誘客を図る。南湖公園や小峰城、昨夏の甲子園で注目を集めた白河の関など観光名所を巡る周遊バスも運行させたい」

 ―中心市街地活性化についての展望は。
 「空き家や空き店舗が問題になっているが、これをチャンスだと捉えたい。中心部の古民家をリノベーションしてレストランやホテルにするなど、多種多様な使い方ができるはず。また(リモートワークなど)新しい働き方が生まれており、空き店舗をサテライトオフィスに改修するなどして利活用してもらい、移住定住者への受け皿にしていきたい」

 ―移住定住の促進についての考えは。
 「昨年度の県内移住者数が過去最多になった。白河市も、新幹線や高速道でのアクセスの良さを売り込み『転職なき移住』を促進していく。先日、市内の移住者から『思ったよりも住みやすい』との声をいただいた。自然に恵まれ、都市部より物価が安いこと、子育てのしやすさなどを積極的に周知していくことが重要だ」

 鈴木氏に当選証書

 白河市選管は10日、同市長選で5選を果たした現職の鈴木和夫氏(73)に当選証書を付与した。
 市役所で付与式が行われ、藤井勝美委員長が鈴木氏に証書を手渡し「今までの市政が有権者に評価された。市の発展へ尽力と活躍を祈る」と述べた。