福島市議選【戦いの跡】 女性8人全員当選、過去最多 新風期待

 

 9日投開票が行われた福島市議選では、県都の発展を担う新議員35人が決まった。女性は新人2人を含む過去最多の8人(候補者全員)が当選し、男性はいずれも2千票以上を獲得した30代1人と40代3人の新人議員4人が誕生。女性活躍や世代交代による「新たな風」を期待する有権者の声を印象づける選挙だった。

 立候補者数は前回の37人から46人に増加。旧飯野町の合併前と単純比較できないものの、2000年以降(03年から6回目)で最多だった。特に地盤が重なる候補者同士が激しいせめぎ合いを繰り広げた。有力な新人が複数出馬し、現職は票の切り崩しを警戒。政党のトップも告示日から応援のため市内に駆け付けた。

 得票数は現職で元衆院議員の石原洋三郎氏が6084票で前々回と前回に続く3回連続のトップ。ただ、元ラジオ局アナウンサーで知名度のある新人の菅原美智子氏も5778票で肉薄した。ほかの上位は前回とほぼ同じ顔ぶれだった。

 さまざまな経歴や価値観を持つ候補者の訴えからは政治へのニーズの多様化もうかがえた。

 参政党とれいわ新選組は県内の地方議員選挙で初めて公認候補を擁立。1500票前後を集め、当選まであと一歩に迫った。

 期日前投票者数は3万6471人で、前回から約4千人増加した。ただ、当日の投票が伸び悩み、投票率は過去2番目に低い水準の41・97%にとどまった。

 候補者は県都のまちづくりや子育て支援の充実など人口減少対策を中心に論戦を繰り広げた。一つ一つの課題を解決に導き、市民に議員の役割を分かりやすく伝える活動も求められる。(報道部・鈴木健人)