デンソー、全日本バレー準V 来季は福島県からリーグ王座目指す

 
女子決勝、岡山戦の第2セットでデンソーの中元(6)が得点を奪い、喜ぶ石倉(右から2人目)ら=Asueアリーナ大阪

 来季への期待が膨らむシーズンの締めくくりとなった。大阪市で6日に開かれたバレーボールの全日本男女選抜大会で、女子準優勝となったデンソーエアリービーズ。国内最高峰の新リーグ「SVリーグ」(10月開幕)に参戦する来季から福島県郡山市に本拠地を移転するチームは今回の結果を弾みとして、本県から悲願のリーグ制覇を目指す。

 デンソーは同大会3度目の優勝を懸け、岡山シーガルズとの一戦に臨んだ。相手の粘り強い守りに苦戦し、思うように得点できない展開となったが、大卒ルーキーのウイングスパイカー石倉沙姫(さき)が意地を見せた。石倉は強力なアタックでチーム2位の7点を奪取。試合に敗れはしたものの攻撃面で高いパフォーマンスを発揮できることを示し「自分のパワーを生かしてみようとする中、通用した部分もあり、収穫になった」と手応えを語った。

 チームとしても今大会、日本代表で離脱したリベロ福留慧美(さとみ)を欠く中、6試合の連戦を戦い成長を遂げた。辻健志監督は「自分たちがやろうとしているバレーは最後までできた」と総括した。

 自信と手応えを胸に、選手らは本県で迎える新シーズンの飛躍を誓う。デンソーは国内トップリーグで2位が最高成績で、石倉は「地域の人たちと共に日本一を目指したい」と青写真を描く。辻監督も今大会を試金石に「さらなるチームの進化を目指し、福島の熱い声援に応えられるように努力していく」と語った。

 デンソーはSVリーグ参戦に伴い、愛知県西尾市から郡山市への本拠地移転を決めた。来季はホーム戦22試合のうち18試合が県内で行われる予定。会場は郡山市の宝来屋郡山総合体育館を使用する方針だが、同体育館が改修工事中のため、来季は近隣市町村での開催を予定する。(佐藤智哉)

 引退の中元、ファンに感謝

 今大会で現役引退となったデンソーの主将中元南は、試合後の会見で「セカンドホームだった郡山市の超満員の中で試合をできたことが本当に印象に残っている。福島県の皆さんに感謝の気持ちでいっぱい」と、感慨深そうに語った。

 郡山市は中元の飛躍につながった場所でもあった。初めて開幕からスタメン起用された2019~20年シーズンには、同市開催の4試合で3勝を挙げるなどして先発定着のきっかけになり、チームに欠かせない存在に成長した。中元は「自分は引退するが、チームがてっぺんを目指すことに変わりはない。福島の皆さんに一緒に戦っていってほしい」と願いを込めた。

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