いわきFC、4戦連続無失点 サッカーJ2、愛媛と0-0引き分け

 
【愛媛―いわき】後半、相手と激しく競り合いボールを奪ういわきのDF石田(右)=ニンジニアスタジアム

 サッカーJ2第14節-。いわきFCは6日、アウェーのニンジニアスタジアム(松山市)で愛媛FCと対戦し、0―0で引き分けた。J2で初めての4連勝を逃したものの勝ち点1を獲得。順位を一つ上げ、20チーム中4位とした。通算成績は6勝5分け3敗。

 前半は強風の影響を受けてロングボールを蹴り合う展開。いわきは風が弱まった後半、FWブワニカ啓太を中心に攻撃を仕掛け、10本のシュートを放った。決定機を何度もつくったが得点を奪えなかった。

 いわきは次戦の12日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)で7位のレノファ山口FCと対戦する。午後1時開始予定。

いわきFC

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 【評】雨と不規則な強風が吹き付け、いわきは酷な条件に苦しんだが、敵地で勝ち点1を積み重ねた。いわきは前半、強風の影響もありボールが落ち着かず、風上に立った愛媛に押し込まれ、前半のシュート数は2本にとどまった。後半はボール支配を高め、主導権を握った。中2日の過密日程の中だったが、終盤まで走り込み、多くの決定機をつくったが、愛媛の守備に阻まれた。(石井裕貴)

 風下の前半耐え抜く

 横殴りの雨と強風が吹き荒れる悪天候の中で後半は試合のペースを握ったいわきだったが、決定機を生かせなかった。それでも田村雄三監督は「3連戦最後のアウェーの試合で勝ち点1を取れたことは最低限良かった」と選手をねぎらった。

 風下に立った前半はロングボール一辺倒の攻撃を強いられる我慢の時間が続いた。指揮官は「前半はある意味割り切って相手にセットプレーやパワーを与えないことに徹底した」と狙いを振り返る。

 後半は風上に立ったいわきが猛攻を見せた。10―0とシュート数にも表れている通り、45分を通してセットプレーやゴール前へのクロスなどで相手ゴールを脅かし続けた。その中で攻守にチームをけん引したのがDF石田侑資。「いわきはどんどん攻撃参加するチームだし、監督もそれを求めている」。積極的な攻撃参加で強烈なミドルシュートを放つなど貪欲な姿勢を見せた。守りでも何度も相手の攻撃の芽を摘み、4試合連続無失点に貢献した。

 今季初の中2日の試合を、移動を伴うアウェーで迎えたことに加え、前節での警告によって2選手が出場停止とチームは万全な状態ではなかった。苦しいチーム状況の中での勝ち点1にも「誰も今日の結果には満足していない」と石田。指揮官も「選手は勝ちに飢えているし、成長したいという思いがすごく伝わる」と姿勢を評価する。

 順位を4位に上げたが、慢心はない。石田は「自分たちに目を向けて前から奪いに行く、90分倒れないサッカーをしていく」と次戦を見据えた。(熊田紗妃)