草の根、声届かず 参院選福島選挙区、小野寺氏に組織力の壁
10日投開票の参院選福島選挙区で、無所属新人の小野寺彰子さん(43)は終盤の追い上げも届かず涙をのんだ。
「政治は生活」との理念の下、野党勢力の支援を受け「県民党」として18日間を戦い抜いた小野寺彰子さん。草の根的な活動で支持を広げ、最終盤まで追い上げたが吉報は届かなかった。
有権者に対し「生活者」としての立場で寄り添う姿勢を貫いた。少子化や農業などの後継者問題、消費税の時限的引き下げなど県民に身近な問題について、街頭や個人演説会でアナウンサーらしいよどみない口調で考えを伝えた。「弱い人に手を差し伸べる政治が必要。皆さんの声をしっかり聞き、国に届ける」と声を枯らした。
名前の浸透とともに支持も増え、演説中、行き交う車から手を振る有権者の姿が増えた。日を追うごとに確かな手応えを感じたが、与党候補の組織力を崩すまでには至らなかった。
福島市の総合選対事務所に他候補の「当確」が早々に伝わると、関係者は声を上げることもなく結果を受け入れた。事務所に駆け付けた小野寺さんは「18日間戦ってきたが、私の力が足りず申し訳なく思います」と支援者に一礼。「県民が課題を抱えている状況に直面した。自分自身の手で変えるという使命感で戦ってきた」と振り返った。
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