【18歳選挙権】(2)戸惑う教育現場 政治的中立に難しさ

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新聞部に所属する高校生に講演する前川さん。主権者教育で中立性を確保する難しさを指摘する

 学校の教師は教育基本法で求められる「政治的中立」の範囲で授業をしなければならない。選挙権年齢の引き下げを受けて文部科学省が見直しを進めている学校現場への通知には、主権者教育で教師が個人的な主義主張を述べるのを避け、公正中立な立場での指導を求める内容が盛り込まれる見通しだ。安達高教諭の杉内清吉さん(59)は模擬投票を続けてきた経験から、その難しさを実感している。

 杉内さんは模擬投票で、争点が分かりやすい国政選挙の候補者アンケートなどの新聞記事を活用しているが「政策の読み解き方を教える時、特定の政党や候補者を批判することになる場合がある」という。「中立性を確保するのはただでさえ難しい。選挙を目前に控える高校3年生の授業でできるのか」と懸念する。

 教師の影響力強く
 灘中・高の元教諭でふくしま学びのネットワーク事務局長の前川直哉さん(38)も「教室の中で権威を持った存在の教師が、政党や政策について意見を言えば、生徒はとても影響されやすい」と考える。「時事問題を取り上げれば当然、生徒は『先生はどう思うか』と聞いてくる。それに対して『それは言えない』では、主権者教育としてリアルさに欠ける」。中立性を確保しながら、主権者教育を行う難しさを指摘する。

 また、前川さんは「自身の主義主張を行わなければ、現実を肯定することしかできなくなってしまう。そうなれば"中立"と言いながら、学校がその時の政権の代弁者になってしまう」と危惧。中立性を確保するためには生徒に対し「あなたの一票は、教師を含め誰からも守られなければならない」と伝え、しっかりと理解してもらう必要性を強調する。「生徒に理解してもらった上で、同じ主権者として自分の意見を言うことは間違っていないと思う」