【データで見る福島県議選2015】 自民は現職4人が落選、民主は3増

 

 投開票が15日に行われた第18回県議選で、58人の当選が決まった。党派別にみると議席数では改選前より自民が2減、民主が3増となったが、得票率は自民が前回よりも伸ばし、民主は微減となった。ただ、自民は現職4人が落選した。議員の平均年齢は改選前より高くなった。データから今回の選挙を読み解く。

 民主、いわきで2議席
 
 【選挙区・党派別】福島市は、自民の現職が落選し現有4議席から1議席減らした。一方、空白区となっていた民主は擁立した元職と新人が当選し、8年ぶりに2議席を獲得した。公明は引退議員の地盤を引き継いだ新人が勝利。共産、社民も1議席を守った。維新は新人が落選し県内全ての議席を失った。
 郡山市は現職9人が全員当選。自民5、民主2、公明と共産が1議席を維持し、構図に変化はない。
 激戦となったいわき市。自民は現職2人が落選し3議席、民主は現職と新人が当選し、1議席増の2議席を確保した。公明は現職が安定した戦いで1議席を維持。共産は現職、新人とも当選し2議席を維持した。民主・県民連合所属の無所属現職は議席を守った。
 会津若松市は、民主の現職と新人が現有2議席を維持。空白区に新人2人を立てた自民は1議席を確保した。また、維新を離党した無所属現職が当選した。
 伊達市・伊達郡は現職3人が当選し、自民、民主、共産が1議席を維持した。
 二本松市は、自民の現職と自民系無所属の新人が激戦を制した。
 田村市・田村郡は自民の現職が落選し1議席を落とした。民主は2010年に当時の県連幹事長が死去してから空白区となっていたが、議席を奪還した。
 白河市・西白河郡は、自民現職2人、民主現職1人がそれぞれの地盤の強さを発揮し、議席を守った。
 石川郡は民主の現職が議席を維持。東白川郡は自民新人が民主現職を破り、自民が8年ぶりに議席を奪還した。相馬市・新地町は自民の現職議長が議席を死守した。
 
 自民、4.4ポイント上昇の45.3% 民主、1ポイント低下で22.1% 
 
 【党派別得票率】県議選は過去最低の投票率となったが、選挙戦となった11選挙区で各政党は約57万票を奪い合う形となった。
 党派別の得票率は、最多の26議席を獲得した自民が25万8000票余を獲得し、45.3%を占め、前回より4.4ポイント伸ばしたが、現職4人が落選するなど議席数では2議席減らした。
 民主は前回より7人少ない13候補が選挙を戦い12万5000票余を得票。前回より3議席増やしたが、得票率は22.1%と前回と比べ1ポイント低下した。
 公明は3候補が3万8000票余を獲得し現有議席を維持。得票率は6.7%で前回より0.3ポイント上昇した。
 共産は現有5議席を維持。前回より得票数を3千票近く伸ばし、得票率は1割を超えた。社民は現有1議席を確保したものの、得票率は2.7%と前回より0.9ポイント低下。維新は現職が離党、新人1候補が3000票余を得票したが、議席を失った。
 
 平均年齢58.07歳、2.26歳上昇 
 
 【当選者の年代】当選者58人の平均年齢は58.07歳で、前回より2.26歳上昇した。前回ゼロだった70代が5人に増えたほか、60代が27人(前回20人)で最も多く、全体の46.6%を占めた。無投票当選者14人のうち、現在4期以上の現職は7人に上り、ベテランが立候補し、無投票当選となった選挙区が前回よりも多かったことなどが、平均年齢上昇の一因とみられる。
 50代が15人(前回23人)と60代に次いで多く、25.9%に上った。40代が8人(同11人)、30代は前回より1人減って3人。最年長は73歳の民主現職、最年少は35歳の無所属新人だった。
 党派別の平均年齢は自民58.92歳、民主55.2歳、公明55歳、共産63.4歳、無所属58.25歳で、1議席を獲得した社民は60歳だった。

 現職が議席守り前回と同じ8人

 【女性の当選者】女性議員は現職全員が議席を守り、前回と同じ8人となった。党派別では自民3、共産4、無所属1。選挙区別では、福島市2、伊達市・伊達郡1、郡山市3、会津若松市1、いわき市1で、1人区での当選はならなかった。
 
 当選ライン前回並み 

 【得票数】最多得票数は、福島市の現職桜田葉子氏の1万5141票で、前回の最高得票者の1万6248票を下回った。次いで、いわき市の安部泰男氏の1万3460票、相馬市・新地町の斎藤勝利氏の1万3407票。当選者のうち、最も得票が少なかったのは、会津若松市の水野さち子氏の6698票だった。
 当選ラインは各選挙区ともおおむね前回並み。前回より候補者が2人少ない田村市・田村郡は当選ラインが前回の8000票台から1万1000票台に上がった。過去最低を更新した投票率を反映し、後援会や支持団体などの組織力が当落の明暗を分けたケースも多かった。

 新人は7人減 4選挙区で現職5人落選 

 【新旧別当選者】新人は11人が当選し、前回より7人減少した。今回は前回より3選挙区多い8選挙区で14人が無投票当選になった。無投票当選者は前回から倍増し、14人中13人が現職。ベテラン議員による自民、民主のすみ分けが定着した選挙区の中で、新人の立候補が見送られたケースもあった。
 新人当選者を党派別にみると自民2、民主5、公明と共産各1、無所属2。一方、選挙戦となった11選挙区のうち、4選挙区で現職5人が落選した。
 
 最少は88票

 【当落の票差】当落の票差が最少だったのは福島市で、当選した高橋秀樹氏の8716票に対し、落選した丹治智幸氏は8628票で、88票差まで肉薄した。10人区に16人が立候補したいわき市は385票差の激戦。このほか、民主現職に自民新人が迫った石川郡が808票差、6人が4枠を争った会津若松市が897票差と3桁台の票差だった。