【18歳選挙権・新有権者の視線】福島県議会傍聴「無気力な答弁に失望」 

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福島高生が作った学校新聞の18歳選挙権特集。身近な議会を傍聴した際の正直な思いを記している

 「これが福島を創る議会なのか―無気力な答弁に失望」。福島高生が作った学校新聞の「18歳選挙権特集」の見出しだ。選挙権年齢が引き下げられる初めての参院選を前に、県教委は3月、高校生を対象に県議会傍聴を企画、教室での座学中心だった生徒たちは政治の現場を目の当たりにした。

 この日質問に立った議員5人は、いずれも高校生の主権者教育や学力向上などの問題をただし、18歳選挙権導入を強く意識していた。しかし同校の本田浩紀さん(17)は「自分の不勉強もあるかもしれないし、大人の政治的な駆け引きは分からない。でも、質問と答弁をもっとシンプルにできないのか」と感じた。「議員が互いにヤジを飛ばしたり、冷やかしたり。同志なのでは」とも。本田さんは「あれを見たらますます若者の政治離れが進んでしまうのでは」と危機感を募らせる。

 議員の通告に従って執行部が準備した答弁を述べる一般質問は、個々の議案を詳細に審議する常任委員会などと違い、自由闊達(かったつ)な討論がされる場ではなく、全ての質問に明快な答えを出せるわけでもない。とはいえ、いよいよ18歳が投票する選挙が現実となる中、行政や議会が新しい有権者のこうした声に耳を傾け、これまで以上に分かりやすく伝えていく姿勢が必要になる。本田さんは「例えば議員と、もっと対話する機会をつくってほしい」と提言する。

 一方、生徒からは「議会を身近に感じた」と好意的に受け止める声も多かった。将来、保育士を目指そうと考えている浪江高の矢口真衣さん(17)は議場で待機児童問題のやり取りを聞き「保育園に入れない子や母親の役に立ちたいと思い、モチベーションが上がった」と話した。

 福島高の広瀬新さん(18)は、目前に控える参院選に、こう向き合う。「若者が政治に関心を持てないのも、政治家が若者向けの政治をできないのも、ニワトリと卵の関係だと思う。お互いのせいにせず、解決策を考えたい」

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 19日施行の改正公選法により18歳選挙権が導入される参院選の公示まで2日と迫る中、県内で新たに有権者となる18、19歳の約3万8000人は何を思い、初の選挙を迎えようとしているのかを探る。