「地域医療」争点...3氏出馬へ いわき市長選・告示まで1カ月

 

 任期満了に伴い9月3日告示、同10日投票で行われるいわき市長選は3日で告示まで1カ月となる。これまでに現職の清水敏男氏(53)=1期、新人で元衆院議員の宇佐美登氏(50)、元職の渡辺敬夫氏(71)が立候補を表明しており、前回出馬した4人のうち3人が再び戦う構図だ。清水市政1期の是非が問われるとともに、地域医療再生への取り組みが争点となりそうだ。

 清水氏は4年間の実績と震災復興などの政策継続の重要性を強調。「医(医療)・職(雇用)・住(住宅)」、市民と共にまちをつくる「共創」の理念などを掲げ、各地で市政報告会を開いて支持固めを進める。

 宇佐美氏は「約束を守る政治」をスローガンに市政刷新を訴える。市立総合磐城共立病院の運営の抜本的見直しをはじめ、医療、福祉、介護の充実を目指し、街頭演説や小規模集会などで幅広い浸透を目指す。

 前市長の渡辺氏は、将来を見据えた事業展開の必要性と、県とのパイプ再構築を主張。幼児教育無償化など教育予算の拡充や、産業基盤の強化、新病院建設計画の検証を訴え、後援会組織を軸に支持拡大を狙う。

 いわき市長選を巡っては2005(平成17)年以降、自民系を二分する戦いが3度続いている。

 自民党いわき総支部は、5月に市議会の第2会派で保守系の清政会が支持する清水氏の推薦を決定。渡辺氏は最大会派・志帥(しすい)会から6月に要請を受け、党推薦は受けずに選挙戦に臨む。宇佐美氏は一部の革新系県議や市議の支援を得ている。民進党は5月時点で自主投票を決定。公明、共産、社民の各党はいずれも「対応を検討中」としている。