3氏の争い、支持層分裂 「いわき市長選」告示まで1週間

 

 任期満了に伴い9月3日告示、同10日投票で行われるいわき市長選は告示まで1週間となった。これまで、いずれも無所属で現職の清水敏男氏(54)=1期、新人で元衆院議員の宇佐美登氏(50)、元職の渡辺敬夫氏(71)が立候補を表明しており、前回出馬した4人のうち3人による再戦が確実な情勢となっている。

 自民党いわき総支部は過去2度の選挙で推薦を見送ったが、今回は5月に早々と清水氏推薦を決定。しかし、6月に渡辺氏が立候補を表明したことで支持層が分裂。一部の自民党支持者からは「(現職を推薦したため)自民系から他に(候補者は)出ないかと思った。清水氏支持の手を下げられない」との声も聞こえ、票の行方は不透明となっている。

 前回市長選で渡辺氏支援に回った団体などは、渡辺氏の出馬を想定していなかったことなどから対応を決めかねる状況も出ていた。市や市内企業の労働組合で組織する連合福島いわき地区連合は、これまでの市長選で現職を支持した経緯があったが、今回は、自民党いわき総支部が現職を推薦したため、内部で相乗りに否定的な意見が上がり、23日に渡辺氏推薦を決めた。

 政党の動きを見ると、公明党は26日、自民党いわき総支部を支持し、清水氏の推薦を決めた。民進党、共産党、社民党は自主投票を決めているものの、中には支持を明確にしている市議、県議もいる。

 清水氏は4年間の実績と震災復興などの政策継続の重要性を強調。市議会第2会派・清政会の支援を得て支持固めを図る。

 宇佐美氏は「約束を守る政治」をスローガンに市政刷新を訴える。一部の革新系県議や市議の支援を受け、草の根運動を展開する。

 渡辺氏は将来を見据えた事業展開の必要性を主張。後援会組織を軸に、市議会最大会派・志帥会の支援を受け支持拡大を狙う。