「南相馬市長選」告示 現職・桜井氏、新人・門馬氏一騎打ちに

 

 任期満了に伴う南相馬市長選が11日告示され、いずれも無所属で、新人で元市経済部長の門馬和夫氏(63)、3選を目指す現職の桜井勝延氏(62)が立候補を届け出た。東日本大震災から6年10カ月となった同日、両候補は地盤の同市原町区で第一声を上げ、21日の投開票に向け10日間の選挙戦に入った。

 同市では東日本大震災の津波で県内最多の636人の犠牲者が出た。大部分で避難指示が解除された小高区をはじめ、原町、鹿島の3区で進度が異なる震災、原発事故からの復興に加え、教育や子育て支援、地域医療の再生など、南相馬の将来像をどのように打ち出せるかが焦点だ。

 門馬候補は100年先を見据えたまちづくりを掲げ、刷新を訴える。家庭保育手当や給付型奨学金の創設、小児科医の確保、小高での入院可能な施設整備など医療体制充実を目指す。

 桜井候補は2期8年の実績と市政継続による復興の総仕上げを強調する。保育園と幼稚園の無料化継続や市立小高病院を診療所に再編した市立総合病院との連携強化を主張する。

 政党は自民、公明が門馬候補を支援。民進系、共産は桜井候補を支援する。連合福島は桜井候補を推薦、市議の支持も割れている。

 10日現在の有権者数は5万3350人(男性2万6422人、女性2万6928人)。有権者のうち約5600人が市外にいる。

 東京電力福島第1原発事故に伴う住民避難を考慮し、2014(平成26)年の前回に続き、告示から投票前日までの選挙期間を10日間に延長して行われる。