【福島県知事選・最前線ルポ】会津 人口減対策が鍵、将来像必要

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 知事選告示後、初の週末となった13日。都市部を中心に候補者の訴えが響く一方、奥会津・金山町にはまだ、候補者の声は届いてこない。「町づくりには若い力が必要なんだ。県はどう考えているのか」。同町の無職男性(70)は若者が少ない町の将来を案じながら、町中心部に近い地元集落に張られた選挙ポスターを見つめた。

 金山町は総人口に占める65歳以上の割合が59.48%(1日現在)と県内で最も高い。若者が町外に出て過疎化が進み、高齢化・人口減少という県全体の課題を象徴する。候補者が地方創生を重要視する中、町観光物産協会長の坂内譲(49)は「田舎だからこそギャップのある取り組みが必要。県には、地域の思い切った挑戦をバックアップしてほしい」と、地域の特色に目を向ける必要性を指摘する。

 「会津が抱えるのは人口減少の問題や観光のさらなる活性化、風評払拭(ふっしょく)。一つ一つ成果を出していく」。現職の内堀雅雄は13日午前、会津若松市で声を張った。1期4年の実績を踏まえ、JR只見線の全線復旧によって会津地域の交流人口を拡大する構想を描く内堀。過疎地域の振興に向けては、市町村が身近な課題を効率的に解決して負担を少なくできるよう、県職員派遣制度の導入や事務の補完などを掲げている。

 「若者が地域に根を張って暮らし、仕事をして子育てできる仕組みが必要だ。介護や医療などにも安心できる福祉応援の県政にする」。新人の町田和史は、県内で就学できる機会を増やす魅力ある学校づくりや返済不要の奨学金など、若者の学びを支える県の姿勢を示すことが重要と強調する。それが結果的に県内で能力を発揮しようという若者を増やし、人口流出防止につながると訴える。

 新人の金山屯は郡山市に県庁を移転して県全体の活性化につなげると主張。高橋翔は外国人を呼び込むため、魅力ある県づくりに取り組むと訴える。

 選挙冊子には、候補者の字面だけの高齢化・人口減少対策が並ぶと感じる有権者もいる。喜多方市の農業斎藤忠一(76)は「若者が少ないと地域の伝統や文化も衰退する。企業誘致による活性化や都会との交流、子育て支援が大切だ」と地域の深刻な現状に向き合う姿勢を求める。候補者には、地方の将来を見据えた政策を分かりやすく有権者に伝える力量が問われている。(文中敬称略)

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