重視施策に「防災」22人 県議選立候補者アンケート(上)

 
特に重視する施策

 福島民友新聞社は、無投票当選者15人を含め県議選に立候補した75人を対象にアンケートを行った。特に重視する施策を聞いたところ、「防災対策」が最多の22人に上り、「医療・福祉対策」が12人、「少子・高齢化対策」が9人で続いた。東日本大震災に加え、台風19号の発生により県民の防災意識のさらなる高揚や災害に強い県土づくりが県政の喫緊の課題と捉えた候補者が多い結果となった。

 アンケートでは〈1〉産業振興〈2〉農林水産業振興〈3〉観光振興〈4〉教育問題〈5〉医療・福祉対策〈6〉少子・高齢化対策〈7〉景気・雇用対策〈8〉原発問題〈9〉防災対策〈10〉その他―の中から一つを選び、理由の記述も求めた。

 「防災対策」と回答した候補者を選挙区別で見ると、台風19号の被害が特に大きかったいわき市と郡山市が5人ずつで最多となり、定数3の伊達市・伊達郡では3人とも丸を付けた。

 理由としては、被災状況を踏まえ「新たな防災ビジョンが必要」「水害対策と情報発生体制の見直しが急務」と答えたり、「地域防災計画づくりを進める」との回答が寄せられた。

 ほかに、被災すれば農林水産業や観光業など幅広い分野に影響が及ぶとしたり、「その他」に丸を付け「台風19号からの復旧・復興が重要」と書いた候補者もいた。

 「医療・福祉対策」と答えた12人のうち、福島市と須賀川市・岩瀬郡の候補者が3人ずつを占めた。理由は「高齢化社会への対応が待ったなしの状況」「地域の医師不足が深刻」など。「少子・高齢化対策」は「人口減少が進めば経済が縮小する」などが理由だった。

 調査方法 告示前に立候補者に調査票を配り、選択方式と記述方式で質問した。立候補した75人全員が回答を寄せた。
 
◆処理水放出「どちらとも言えない」半数超 

 東京電力福島第1原発でたまり続ける放射性トリチウムを含む処理水の海洋放出についても聞き、安全基準に適した海洋放出に〈1〉賛成〈2〉反対〈3〉どちらとも言えない―から選んでもらった。「どちらとも言えない」が42人と半数以上を占め、「賛成」が4人、「反対」が28人。無回答が1人。

 「どちらとも言えない」では「本県沖に放出すれば風評に苦しむ」が主な理由で、「反対」でも「現時点では風評が考えられ容認できない」との指摘があった。風評が与える影響の大きさを懸念したり、海洋放出に関して国民的議論を深める必要があるとの回答が多かった。

 ほかの答えは「安全基準が妥当かどうかを再検証するべきだ」(どちらとも言えない)や「保管して処理技術が高度化するのを待ちたい」(同)「海洋放出以外に方法がない」(賛成)など。浜通りの候補者の回答を見ると、「反対」が11人と最も多く「どちらでもない」が6人、「賛成」が1人となった。