「大熊町長選」終盤の情勢 医療や教育など争点に2氏舌戦

 

 任期満了に伴う大熊町長選は、10日の投開票に向け終盤戦に入った。届け出順にいずれも無所属の新人で、前町議会議長の鈴木光一候補(64)と前副町長の吉田淳候補(63)の両陣営が、一部地域で4月に避難指示が解除された同町の医療や教育環境の整備などを争点に選挙戦を繰り広げている。

 鈴木候補は、県が県立大野病院の再開時期を示していないことから同病院の再開は難しいと指摘。町内に専門性の高い町立病院を整備し、医療系の大学の誘致を掲げる。

 吉田候補は、県に対して県立大野病院の再開を求めると強調。内科を基本とする診療所を町内に建設し、双葉郡内で不足している診療科を拡充して地域の医療環境整備を訴える。

 町民の9割以上が今なお県内外で避難生活を送る影響を踏まえ、両陣営は投票率について、選挙戦となった2011(平成23)年の68.34%を下回ると予想。有権者が多く避難する会津若松、郡山、いわきなどを遊説し、票の掘り起こしに力を入れている。