【福島県議選・戦いの跡】いわき市選挙区 自民堅調4議席維持

 
県議選いわき市選挙区の開票作業に当たる職員ら=10日、いわき市総合体育館

 10日に投開票が行われた第19回県議選。浜通りでは無投票の南相馬市・飯舘村、双葉郡両選挙区を除く、いわき市と相馬市・新地町両選挙区で投開票が行われ、新県議11人が決まった。告示前に本県を襲った台風19号被害を踏まえ各陣営が展開した戦いを、選挙区ごとに振り返る。

 公明1増2議席、共産2議席死守

 【いわき市】定数10に対し、12人が立候補。前回の16人から減少したが、泡沫(ほうまつ)候補のいない少数激戦の様相を呈した。さらに、台風19号などの被災から間もなく、従来の選挙戦とは違った環境の中、各陣営は手探りで票集めに奔走した。

 自民は現職4人が後援会組織と地盤固めを進め、手堅く勝ち抜いた。坂本竜太郎氏は勿来を中心に支持を集めトップで再選を果たした。矢吹貢一氏は約50の後援会組織の後押しで盤石の戦いぶりを見せた。

 青木稔氏は全域で支持を集め、最多当選となる9期目を射止めた。鈴木智氏は地盤小名浜などで堅調に票を獲得した。立憲の古市三久氏は終盤に台風被災地で防災への取り組みを訴え票を伸ばした。

 共産は党幹部を投入するなど現職2人の議席を死守。吉田英策氏は街頭演説で内郷地区などの票を獲得。宮川絵美子氏は組織票のほか、市南部で支持を集めた。

 公明は票の取りまとめが機能し議席を2に伸ばした。新人真山祐一氏は被災地に入り、支援策をアピール。現職安部泰男氏は市南部や常磐地区でも票を集めた。

 唯一の無所属西丸武進氏は地盤の遠野、常磐地区で票固めを進め7選となった。

 現職着実に集票 自民系を退ける

 【相馬市・新地町】現職の荒秀一氏が自民推薦の新人鈴木一弘氏を4251票差で破り2選を果たした。

 荒氏は市議選、町議選との同日選で、初当選した昨年の県議補選と比べて投票率が大幅に伸びる中、政治経験と手腕のアピールで相馬、新地ともに着実に票の上積みを図った。反自民票や無党派層の取り込みにも成功し、貫禄を示した。

 鈴木氏は保守系組織の後押しを受け、地盤の相馬市東部などを中心に集票を図ったが及ばなかった。自民としても議席奪還を目指した中で厳しい結果となった。